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いまの最高地点を常に意識する — 成果物が先、説得は後

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反対意見を正面から言葉で覆そうとするのは、正直むずかしい。いくら説明を尽くしても「本当に動くの?」という疑念は残るし、議論が長くなるほど消耗する。

そこで自分が意識するようにしたのが、先に成果物を見せてから話を進めるというやりかただ。


言葉より動くものを先に置く

「こういうものを作りたい」と言葉だけで伝えると、聞いた側はそれぞれの想像で補完する。想像がずれたまま議論が進むと、出てくる反対意見は「相手の想像に対する反対意見」であって、自分が作りたいものへの反対とは限らない。

動くものを置けば、認識がそこに揃う。「これについてどう思うか」という具体的な会話になるし、意見がもらえれば次のバージョンに活かせる。

議論の場に持ち込む素材は、完成品でなくてもいい。荒削りでも「動く」状態のものを早く見せるほど、話が速い。これはコードに限らず、デザインのプロトタイプでも、スライドのモックでも同じだと感じている。


いまの最高地点を意識する、ということ

「現状維持に満足しない」というのは、口で言うのは簡単だ。でも実際に続けるには、いまの自分の最高地点がどこにあるかを把握していることが前提になる。

最高地点が曖昧なまま「もっと上を」と言っても、どちらに向かえばいいかわからない。地図のない登山に近い。

自分にとってのそれは、こんな問いで確認している。

  • いま作れるもので、一番クオリティが高いのは何か?
  • その水準に達したのはいつで、何がきっかけだったか?
  • 次に上げるとしたら、どこのレイヤーを変えれば一段上がるか?

この問いに答えられるかどうかが、最高地点を意識できているかどうかのバロメーターになっている。


ふりかえりが高みへの燃料になる

次の高みを目指すうえで、ふりかえりは手放せない。

「なぜここまで来られたか」を言語化しておくと、再現性が生まれる。逆に、うまくいかなかった部分を放置すると、同じ天井に何度も頭をぶつける。

自分の場合、ふりかえりで意識するのは成功より**「なぜこれは思ったより難しかったのか」**の方が多い。難しかった理由を分解すると、次に同じ壁に当たったときの手札が増える。

技術的な壁だけじゃない。「うまく伝えられなかった」「早く見せれば済んだのに議論が長引いた」という経験も、ふりかえりの対象にしている。


モチベーションを仕組みで維持する

「高みを目指す」というのは、精神論ではなく仕組みの話だと思っている。

モチベーションは不安定だ。高揚しているときもあれば、まったく乗れない日もある。それでも「いまの最高地点より少し上」を狙い続けるには、行動が習慣のレベルに落ちている必要がある。

自分がやっていることは単純で、作ることを止めないという一点だけ。小さくてもいい。今週作ったものが先週より少しでも良ければ、それで十分前進している。

モチベーションが上がるのを待つより、動いたらモチベーションがついてくる——という順序の方が、長続きする気がしている。


まとめ

  • 説得は言葉より先に動くものを見せる方がスムーズ
  • 「次の高み」を目指すには、いまの最高地点の把握が先にある
  • ふりかえりは批判じゃなく、次の手札を増やす作業
  • モチベーションを待つより、動いてからモチベーションを引き寄せる

現状維持の心地よさは、気づかないうちに上限を下げる。意識的に最高地点を更新し続けるのが、自分のエンジニアリングの軸になっている。