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X投稿文案をアルゴリズム準拠で作る Skill — x-post-writing と x-algorithm

Posted on:2026-06-26

ブログ記事を書いたあと、X(旧Twitter)用の告知文を毎回ゼロから考えるのは地味に手間がかかる。「いいねを集めたい」だけだと、スパムっぽい文案になりがちだし、何を意識すれば For You フィードに載りやすいのかも曖昧だった。

そこで redamoon/skillsx-post-writing を追加した。X が公開している For You フィードのアルゴリズム実装 xai-org/x-algorithm を読み解き、どの反応を狙うポストにするかを設計してから文案を書く Agent Skill だ。

https://github.com/redamoon/skills/tree/main/skills/x-post-writing

汎用Agent SkillsをGitHubで配布する — redamoon/skills と gh skill install で紹介したリポジトリの、v1.1.0 で追加した10本目の Skill になる。


なぜアルゴリズムを Skill にしたか

X の For You フィードは、ざっくり次の流れで投稿が選ばれる。

  1. 候補取得 — フォロー中(Thunder)と ML 類似検索(Phoenix Retrieval)
  2. スコアリング — Grok ベースの Transformer が各アクションの確率を予測
  3. 最終スコアFinal Score = Σ (weight × P(action))
  4. フィルタ — 古い投稿・重複・スパムなどを除外

x-algorithm の README を読むと、手作りの特徴量は使われていない。キーワードを詰め込むより、読者が実際に反応する内容が選ばれる設計だ。

一方で、文案を書くときに毎回この構造を思い出すのは大変だ。Skills が効くのは「AI が知らないことを教えるとき」だと 以前の記事 で書いた通り、アルゴリズムの要点と文案設計の対応表は、Skill として残しておく価値がある領域だった。


x-post-writing がやること

x-post-writing は、次のような依頼のときに発動する。

  • X 向けのポスト・スレッド・引用リポストの文案を書く・推敲する
  • ブログ記事やメモから X 用の要約投稿を作る
  • 「For You に載りやすい」「アルゴリズムを意識した」投稿文案が欲しい

単に「バズる文案」を生成するのではなく、狙うエンゲージメントアクションを明示したうえで文案を組み立てる。出力には設計メモ(なぜこの切り口か、reply / quote をどう誘導するか)も含める。

スコアリング観点での設計

アルゴリズムは複数のアクション確率の加重和でスコアを決める。文案では次のような対応を意識する。

アクション 文案での狙い方
reply 質問・二択・「あなたなら?」・議論の余地
repost / quote 引用しやすい結論1行・意外性・共感フレーズ
favorite 共感・「わかる」・保存したくなる要点
click / dwell 続きが気になる構成・スレッド・リンク先の価値
profile_click / follow_author 専門性・一貫したテーマの提示
video_view / photo_expand 図解・スクショ・短尺動画の添付提案

避けるべきは、スパム感のある表現、釣りタイトル、同一内容の連投(Author Diversity で減衰)、古い話の蒸し返しだ。Grox によるスパム検知や Post-Selection フィルタも想定し、攻撃的・誇大な表現は控える。

ワークフロー

Skill 内の手順は次のとおり。

  1. 入力を確認 — 目的・素材・形式(単発 / スレッド / 引用)・トーン・文字数
  2. スコアリング観点で設計 — 狙うアクションを決める
  3. 文案を書く — 単発・スレッド・記事告知の型に沿って作成
  4. チェックリスト — 280字制限、フックの独立性、ハッシュタグ数(0〜2個)など
  5. チャットで草案を提示 — 推奨案・代替案・設計メモ
  6. 成果物ファイルを出力 — Markdown で保存(後述)

ブログ記事から文案を作る場合は、h2/h3 から独立した切り口を3つ抽出し、日を分けて別ポストにする。同一記事の告知を連投すると Author Diversity で減衰しやすいためだ。


リポジトリの構成

skills/x-post-writing は次のファイルで構成されている。

ファイル 内容
SKILL.md メインのワークフロー・執筆ルール・ファイル出力規約
reference.md x-algorithm のコンポーネント・フィルタ・アクション一覧の整理
examples.md 技術記事告知・スレッド・意見表明・NG例の文案例
templates/x_post.md 成果物 Markdown の frontmatter テンプレート

reference.md では Thunder / Phoenix Retrieval / Phoenix Ranking / Grox などの役割を表にまとめ、文案への示唆を対応づけている。重み係数や本番閾値は非公開なので、あくまで執筆上のヒューリスティックとして使う点は Skill 内でも明記している。


使い方

インストール

redamoon/skills と同様、gh skill install で入れられる。

gh skill install redamoon/skills x-post-writing \
  --agent cursor \
  --scope user \
  --pin v1.1.0

Cursor や Claude Code に入れたあと、「この記事から X 投稿を作って」「For You 向けにスレッド文案を推敲して」のように依頼すれば、Skill が発動する。

依頼の例

このブログ記事から、技術記事告知の単発ポストを作って。
トーンはカジュアル、reply を狙いたい。
レガシーコード改善の学びを5ポストのスレッドにして。
1ツイート目だけで quote できるようにして。

素材としてブログの URL、箇条書きメモ、vault 内の Markdown パスを渡せばよい。不足があれば Skill 側が質問する。

出力イメージ

チャット上では次の形式で返す。

## 推奨案(メイン)

[文案]

## 代替案

[文案]

## 設計メモ

- 狙うアクション: reply, quote, ...
- 根拠: 冒頭を quote 向けに独立させた

文案が固まったら、06-Blog/x-posts/ に frontmatter 付き Markdown として保存する。ファイル名は x_{YYYYMMDD}_{テーマ}_{形式}.md の規約で、コピペ用本文・文字数表・設計メモ・投稿後メモ欄を分けて書く。X にそのまま貼れる「コピペ用」セクションだけを切り出した構成になっている。


文案例

examples.md に載せている例のひとつ。技術記事の告知(単発)だ。

README は人間向け。AGENTS.md は AI エージェント向け。

Cursor / Claude Code で「毎回同じ指示を繰り返す」問題、
AGENTS.md にルールを書いておけばかなり減る。

うちのリポジトリではこう書いてる 👇
[URL]

みなさんの AGENTS.md、何を書いてますか?

設計メモでは reply(末尾の質問)、click(URL)、quote(冒頭2行の独立性)、dwell(具体例)を狙っている。

避けるべき例も載せている。次のような文案はスパム的で、VFFilter や P(not_interested) のリスクが高い。

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改善の方向は、経験談と具体例で読者の dwell を稼ぎ、明示的なエンゲージメントベイトをやめることだ。


他の Skills との関係

x-post-writingredamoon/skills のブログ執筆系 Skills と組み合わせて使う想定だ。

タイミング 使う Skill
記事を書く zenn-blog-writing / hatena-blog-markdown / note-*
記事の品質チェック blog-workflow(textlint 等)
記事公開後の X 告知 x-post-writing

記事本文の執筆ルールと、SNS 文案の設計ルールを分けている。プラットフォームごとに「読まれる構造」が違うからだ。


限界と免責

いくつか押さえておきたい点がある。

  • 重み係数は非公開 — x-algorithm は Apache-2.0 で公開されているが、本番の weight や閾値はわからない。Skill の設計は README と公開情報に基づくヒューリスティックだ
  • アルゴリズムは変わる — 2026-05-15 リリース時点の構成を前提にしている。本番仕様は随時更新される可能性がある
  • Skill は万能ではない — アルゴリズムを意識しても、内容の質やタイミング次第で結果は変わる。Skill は「毎回アルゴリズムの要点を思い出す手間」を減らす道具だ

「いいねをください」と書けば伸びる、という類のテクニックはアルゴリズムの設計思想とも逆だ。Skill でも明示的なエンゲージメントベイトは避けるルールにしている。


まとめ

  • x-post-writingxai-org/x-algorithm をもとに、X 投稿文案を設計・作成する Agent Skill
  • 狙い — キーワード詰め込みではなく、reply / quote / dwell など複数アクションを意識した文案設計
  • 成果物 — チャット草案に加え、06-Blog/x-posts/ 向けの Markdown テンプレートで管理
  • 入手gh skill install redamoon/skills x-post-writing --pin v1.1.0 で Cursor / Claude Code などに導入可能

ブログを書いて終わりにせず、記事の切り口を X 向けに再設計する作業は繰り返しがちだ。その手順を Skill に落とし込んだので、同じ悩みを持つ人の参考になればうれしい。


参考リンク